8.黒羽

[4月3日(5月21日)]
    矢板〜沢〜大田原〜黒羽〜余瀬・翠桃宅(泊)
[4月4日(5月22日)〜]
    余瀬・桃雪宅(7泊)
[4月11日(5月29日)〜]
    余瀬・翠桃宅(2泊)
[4月13日(6月1日)〜]
    余瀬・桃雪宅(2泊)

【芭蕉自筆影印】
 黒羽の館代 浄坊寺何某(ナニガシ)の方二 音信(オトヅ)ル おもひ可氣ぬあるしのよろこひ 日夜語つゝ氣て 其弟桃翠なと云可朝夕勤と婦らひ 自の家尓も伴ひて 親族の方尓もま年可禮 日を婦るまゝ耳 日とひ(一日)郊外尓逍遥して犬追ものゝ跡を一見し 那春の篠原をわ遣て玉藻の前能古墳をとふ
(黒羽の館代、浄坊寺何某(ナニガシ)の方に、音信(オトヅ)る。おもひがけぬあるじのよろこび、日夜語つゞけて、其弟桃翠など云が朝夕勤とぶらひ、自の家にも伴ひて、親族の方にもまねかれ、日をふるまゝに、日とひ(一日)郊外に逍遥して犬追ものゝ跡を一見し、那すの篠原をわけて玉藻の前の古墳をとふ。)
 それより(?)八幡宮耳詣 与市宗髙 扇の的を射し時 別(ベツシ)てハ我国(?)氏神正(ショウ)八まんとち可ひしも 此神社尓て侍る登き計者 感応殊志きり覚らる 暮連ハ桃翠宅耳帰る 修験光明寺登云有 そこにま年可禮て 行者堂を拝ス
(それより(?)八幡宮に詣。与市宗髙、扇の的を射し時、別(ベツシ)ては我国(?)氏神正(ショウ)八まんとちかひしも、此神社にて侍るときけば、感応殊しきり覚らる。暮れば桃翠宅に帰る。修験光明寺と云有。そこにまねかれて、行者堂を拝す。)

 夏山耳足駄を於可む首途哉
(夏山に足駄をおがむ首途哉)

【句碑】
①修験光明寺跡
 栃木県大田原市余瀬 R254常念寺北西へ

 夏山尓足駄を拝むかどでか奈
(夏山に足駄を拝むかどでかな)

②黒羽芭蕉公園
 駐車場道路反対側
 栃木県大田原市前田980-1
   (公園内「芭蕉の館」)

 田や麦や中にも夏のほとゝぎす 大垣記念館


 

③黒羽芭蕉公園
 大雄寺付近 桃雪亭跡

 山も庭もうこき入るや夏座敷
(山も庭にうごき入るゝや夏ざしき 大垣記念館)

④黒羽芭蕉公園
 「芭蕉の館」下 休憩所下

 鶴鳴や其声に芭蕉やれぬべし
(鶴鳴やその声に芭蕉やれぬべし 大垣記念館)


⑤玉藻稲荷神社
 黒羽町蜂巣字篠原

 
    秣おふ人を枝折の夏可奈
(秣負ふ人を枝折の夏野哉 大垣記念館)

【芭蕉像】
 黒羽芭蕉公園
 「芭蕉の館」前




【難解文字(?)】
 それより(?)八幡
  
  影印文字
   合略仮名(仮名合字・つづきかな)
   (JIS0213  1-2-25)

  参考文字
   よ

   り


 我国(?)
  参考文字
   衝山草書


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