18.笠島

【芭蕉自筆影印】
①紀行文
 あふみ摺 白石の城を過て 笠しま能郡耳入連者 藤中将実方能塚盤 いつくの程ならん登 人耳とへ者 これより遥右尓見ゆる山際の里を ミの王(蓑輪)笠嶋登云 道岨神の社(ヤシロ) 可多みの薄 今耳侍るとをしゆ 此比の 五月雨二 道いとあしく(わるく) 身つ可れ侍連者 よそな可らな可免やりて過るに みの(蓑)ハ 笠しまも 五月雨の折尓婦連多りと
(あぶみ摺、白石の城を過て、笠じまの郡に入れば、藤中将実方の塚は、いづくの程ならんと、人にとへば、これより遥右に見ゆる山際の里を、みのわ(蓑輪)笠嶋と云。道岨神の社(ヤシロ)、かたみの薄、今に侍るとをしゆ。此比の、五月雨に、道いとあしく(わるく)、身つかれ侍れば、よそながらながめやりて過るに、みの(蓑)は、笠じまも、五月雨の、折にふれたりと、)

 笠嶋盤いつこさ月のぬ可り道
(笠嶋はいづこさ月のぬかり道)

②「かさしまや」句文懐紙
 中将真(実)方能つ可ハ なと利郡笠し万登云處尓て 道よ利一里者可利尓侍る登いへ登 安免志支利尓降て 日もく礼尓及侍れ者 王利なくて過ぬ

 可さし万やいつこ五月のぬ可利道

(中将真(実)方のつかは、なとり郡笠しまと云処にて、道より一里ばかりに侍るといへど、あめしきりに降て、日もくれに及侍れば、わりなくて過ぬ

 かさじまやいづこ五月のぬかり道 )

【句碑】
①藤原実方の墓入口
 名取市愛鳥塩手字北野39


 笠嶋ハ移つこ皐月乃ぬ可り道
(笠嶋はいづこ五月のぬかり道)


②道祖神路(館腰神社より奥州街道を南へ数百m)
 (館腰神社 名取市植松4-2-6)

 名取市植松西岡62-1民家・道路角 川内沢川橋側

 笠島盤いつこ皐月のぬ可里道
(笠島はいづこ五月のぬかり道)










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