33.大石田

【芭蕉自筆影印】
①紀行文
 も可み川乗らん登 大石田と云處に 日和を待 爰耳古き俳諧の多年落こ本連て 王春禮ぬ花(華)のむ可し越志多ひ 芦角一聲の心をやハら氣 此道尓さくりあし志て 新古婦多道耳ふミまよふといへとも 道志るへ春る人しな介連者と 王りなき一巻を残しぬ この多ひの風流爰耳い多禮り
(もがみ川乗らんと、大石田と云処に、日和を待。爰に古き俳諧のたね落こぼれて、わすれぬ花(華)のむかしをしたひ、芦角一声の心をやはらげ、此道にさぐりあしして、新古ふた道にふみまよふといへども、道しるべする人しなければと、わりなき一巻を残しぬ。このたびの風流爰にいたれり。)

②「さみだれ」歌仙

 さみ堂礼をあつ免てすゝしも可三川

③「さみだれを」短冊

 佐み堂礼を安つ免て涼しも可み川

【句碑】
①西光寺
 山形県北村山郡大石田町乙692-1

 さみ堂礼をあつ免てすゝしも可ミ川
(さみだれをあつめてすゞしもがみ川)
(五月雨をあつめてすずしもがみ川 大垣記念館)
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