[7月15日(8月29日)]
埴生八幡〜源氏山〜金沢・京屋吉兵衛(泊)
[7月16日(8月30日)〜]
金沢・宮竹屋喜左衛門(8泊)
①紀行文
卯の花山 くり可ら可谷越こえて 金澤盤七月中の五日也 爰に大坂より可よふ商人何處と云ものあり それ可旅宿をとも尓す 一笑と云无の盤 此道尓す遣る名乃 本のゝゝ聞へて 世尓知人も侍し尓 去年の冬早世志多里とて 其兄追善(?)を催ス耳
(卯の花山、くりからが谷をこえて、金沢は七月中の五日也。爰に大坂よりかよふ商人何処と云ものあり。それが旅宿をともにす。一笑と云ものは、此道にすける名の、ほのゞゝ聞へて、世に知人も侍しに、去年の冬早世したりとて、其兄追善(?)を催すに)
塚もうこ氣我泣声盤秋の風
(塚もうごけ我泣声は秋の風)
(塚も動け我泣声は秋の風 大垣記念館)
ある草庵尓いさなは連て
(ある草庵にいざなはれて)
秋すゝし手毎尓む氣や瓜天茄
(秋すずし手毎にむけや瓜天茄)
途中唫
(途中吟)
あ可ゝゝ登日盤難面も秋の風
(あかあかと日は難面も秋の風)
②「あかゝゝと」ほか句文懐紙
め尓盤さや可尓登い飛氣舞秋立介しき 薄かる可や農葉末耳うこ支て 聊昨日尓替る空乃奈可免哀な梨介禮者
あかゝゝ登日盤難面も秋の風
④「つかもうごけ」発句詠草
つ可もうこけ我泣聲ハ秋の風
あかゝゝ登日盤難面も秋の風
(めにはさやかにといひけむ秋立けしき、薄かるかやの葉末にうごきて、聊昨日に替る空のながめ哀なりければ
あかゝゝと日は難面も秋の風 )
③「あかゝゝと」句文懐紙
旅愁なく佐免兼て ものうき秋もやゝい多りぬ礼者 さす可にめ尓みえぬ風の音つれもいとゝ可那し介なる耳 残暑猶やま佐り介礼者
あかゝゝ登日盤つ連なくも秋の風
(旅愁なぐさめ兼て、ものうき秋もやゝいたりぬれば、さすがにめにみえぬ風の音づれもいとゞかなしげなるに、残暑猶やまざりければ
あかゝゝと日はつれなくも秋の風 )
④「つかもうごけ」発句詠草
登し比我を待介る人のみま可利介るつ可尓まう(詣)て
つ可もうこけ我泣聲ハ秋の風
(とし比我を待ける人のみまかりけるつかにまう(詣)で
つかもうごけ我泣声は秋の風 )
あ可ゝゝと日盤つ連奈く毛秋の風
(あかあかと日はつれなくも秋の風)
(あかあかと日はつれなくも秋の風)
あ可ゝゝと日盤津連那くも秋能?
(あかゝゝと日はつれなくも秋の風)
③兼六園
金沢市丸の内1-1
公園内山崎山登口
つ可もうこけ我泣聲ハ秋の風
(つかもうごけ我泣声は秋の風)