42.小松

【芭蕉自筆影印】
①紀行文
 小松登云處尓て
(小松と云処にて)

 志本らしき名や小松吹萩薄
(しほらしき名や小松吹萩薄)

 此所太田の神社耳詣 斎(?)藤別當眞盛可甲 錦の切あり 其昔源氏尓属せし時 義朝公より(?)多万(?)ハらせ多万(?)ふ登可や 氣尓も平士の无のにあらす 目庇(マビサシ)より(?)吹返しまて 菊可ら艸の本りもの金をちり者め 龍頭耳鍬形打堂利 真盛討死の後 木曽義仲願状尓そへて 此社耳こめら禮侍るよし 樋口の次郎可使せし事共 まのあ多り縁記(?)尓見え多利
(此所太田の神社に詣。斎(?)藤別当直盛が甲、錦の切あり。其昔源氏に属せし時、義朝公より(?)たま(?)はらせたま(?)ふとかや。げにも平士のものにあらず。目庇(マビサシ)より(?)吹返しまで、菊から艸のほりもの金をちりばめ、龍頭に鍬形打たり。真盛討死の後、木曽義仲願状にそへて、此社にこめられ侍るよし、樋口の次郎が使せし事共、まのあたり縁起(?)に見えたり。)

 むさ無やな甲の下のきりゞゝ春
(むさむやな甲の下のきりぎりす)

②「わせのかや」等三句懐紙

 志本らしき名や小松婦く萩薄

 ぬ礼て行や人も於可しきあ免の萩

【句碑】
①建聖寺
 小松市寺町94

 志ほらしき名や小松ふ久萩すゝき

②本折日吉神社
 小松市本折町1

 志於らしき名や小松吹く萩薄

③莵橋(うはし)神社
 小松市浜田町イ233

 志をらしき名や小松ふく萩薄

④多太神社
 小松市本折町72 鳥居・参道右

 むざんやな甲能し多のきりぎりす
(むざんやな甲のしたのきりぎりす)

⑤多太神社 

 あなむさん甲の下能き里ゝゝ春
(あなむざん甲の下のきりぎりす 初案 大垣記念館)


【芭蕉像】
①多太神社

②建聖寺




【難解文字(?)】
 社耳詣斎(?)藤
(社に詣斎(?)藤)

 参考文字
  斎







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