44.那谷寺

【芭蕉自筆影印】
 山中の温泉尓行本登 白根可嶽跡に見なしてあゆむ 左りの山際尓観音堂有 花山の法皇三十三所の順礼とけさせ多万(?)ひて後 大慈大悲乃像を安置志給(?)ひて 那谷と名付たま(?)ふと也 那智 谷組の二字を王可ち侍しと楚 奇-石さまゝゝ尓 古-松植ならへて 萱ふきの小堂 岩の上耳造り可氣て 殊勝の圡地也
(山中の温泉に行ほど、白根が岳跡に見なしてあゆむ。左りの山際に観音堂有。花山の法皇三十三所の順礼とげさせたま(?)ひて後、大慈大悲の像を安置し給(?)ひて、那谷と名付たま(?)ふと也。那智、谷組の二字をわかち侍しとぞ。奇-石さまゞゝに、古-松植ならべて、萱ぶきの小堂、岩の上に造りかけて、殊勝の土地也。)

 石山の石よ利白し秋の風
(石山の石より白し秋の風)

【句碑】
①那谷寺
 石川県小松市那谷町ユ122

 石山能石よ里白し秋の風 白:衡山
(石山の石より白し秋の風)


一覧へ