[元禄2年3月27日(5月16日)]
草加〜粕壁(泊)
【芭蕉自筆影印】
此多ひ 奥羽長途の行脚 多ゝ可利曽免尓おもひ立て 呉天耳白髪の恨を重ぬといへとも 耳尓婦禮て いま多目尓見ぬ境 若生て帰ら者登 定め奈き頼の末越楽て 其日 漸々早加と云宿尓堂とりて 痩骨の肩尓可ゝ連る物 先くるしむ(此たび、奥羽長途の行脚、たゞかりそめにおもひ立て、呉天に白髪の恨を重ぬといへども、耳にふれて、いまだ目に見ぬ境、若生て帰らばと、定めなき頼の末を楽て、其日、漸々早加と云宿にたどりて、痩骨の肩にかゝれる物、先くるしむ。)
唯身春可らにと拵(コシラエ)出立侍る越 帋子一衣盤夜ル臥(フス)為と云 ゆ可多 雨具 墨 筆の堂くひ ある(あるい)盤さ里可多き花む気奈登志多類ハ さ春可に打捨可多具 日々路頭の煩登なるこ楚 王利奈介禮
(唯身すからにと拵(コシラエ)出立侍るを、帋子一衣は夜る臥(フス)為と云、ゆかた、雨具、墨、筆のたぐひ、ある(あるい)はさりがたき花むけなどしたるは、さすがに打捨がたく、日々路頭の煩となるこそ、わりなけれ。)
【芭蕉像】
草加札場河岸公園
日光街道沿 綾瀬川沿
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