24.塩釜明神

【芭蕉自筆影印】
 早朝 塩竃の明神尓詣ツ 国守再興改ら連て 宮柱婦としく 彩-椽(テン)きらひや可耳 石の階(キザハシ階段)九尋尓重り 朝日あ氣の玉可き(朱塗垣根)を可ゝや可春 可ゝる道の果 塵土(ヂンド片田舎)のさ可ひまて 神灵(レイ)あら多に(灼アラタニ著しく)ましま春こ楚 吾国の風俗な連登 いと貴シ
(早朝、塩竃の明神に詣づ。国守再興改られて、宮柱ふとしく、彩-椽(テン)きらびやかに、石の階(キザハシ階段)九尋に重り、朝日あけの玉がき(朱塗垣根)をかゝやかす。かゝる道の果、塵土(ヂンド片田舎)のさかひまで、神灵(レイ)あらたに(灼アラタニ著しく)ましますこそ、吾国の風俗なれと、いと貴し。)
 神前尓古き寶ー燈有 可年の戸ひらのお无てに 文治三年和泉の三郎寄進と有 五百年来の俤 今目の前尓う可ひて そゝろ(漫ろソゾロわけもなく)尓珍し 渠(カレ)ハ勇義忠孝の士也 佳命(?)今尓至りて 志多者春登云事那し 誠 人能道を勤 義を守て 佳命(?)をお无ふへし 名も又これ尓志多可ふと云り
(神前に古き宝ー燈有。かねの戸びらのおもてに、文治三年和泉の三郎寄進と有。五百年来の俤、今目の前にうかびて、そゞろ(漫ろソゾロわけもなく)に珍し。渠(カレ)は勇義忠孝の士也。佳名(?)今に至りて、したはずと云事なし。誠、人能道を勤、義を守て、佳名(?)をおもふべし。名も又これにしたがふと云り。)

【芭蕉尋ね地】
①塩釜神社
 塩釜市一森山1-1


 芭蕉翁奥の細道碑
 (博物館から志波彦神社の手前左)





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