32.山寺

[5月27日(7月13日)]
    本飯田〜楯岡〜東根〜六田〜立石寺(泊)

【芭蕉自筆影印】
①紀行文
 まゆ者き越俤尓して紅粉の花
(まゆはきを俤にして紅粉の花)

 子飼春る人ハ古代の姿哉 曽良
(子飼する人は古代の姿哉 曽良)

 山形領尓立石寺と云山寺有 慈覚大師の開記尓して 殊清閑の地也 一見春へきよし 人々の春ゝむるに仍(ヨリ)て 尾花沢よりと川て返(?)し 其間七里計な利 日いま多暮春 麓の坊尓宿可り置て 山上の堂耳登ル 岩尓岩尾を重て山とし 松栢(ショウハク・松檜杉)年ふり 圡石老て 苔なめら可耳 岩上の院々扉を閉て 物の音きこへ春 岸をめくり岩ヲ這て 佛閣を拝し 佳景 寂莫(ジャクマク)として 古ゝろすミ行のミ覚ゆ
(山形領に立石寺と云山寺有。慈覚大師の開記にして、殊清閑の地也。一見すべきよし、人々のすゝむるに仍(ヨリ)て、尾花沢よりとつて返(?)し、其間七里計なり。日いまだ暮ず。麓の坊に宿かり置て、山上の堂に登る。岩に岩尾を重て山とし、松柏(ショウハク・松檜杉)年ふり、土石老て、苔なめらかに、岩上の院々扉を閉て、物の音きこへず。岸をめぐり岩を這て、仏閣を拝し、佳景、寂寞(ジャクマク)として、こゝろすみ行のみ覚ゆ。)

 閑さや岩耳志み入蝉の聲
(閑さや岩にしみ入蝉の声)

②山寺展示館展示

 眉掃を俤尓し亭紅粉の者那
(眉掃を俤にして紅花のはな)

【句碑】
①おもかげの丘
 天童市下荻野石倉 県道19
 県道19「はり灸」信号左折

 まゆ者きを俤尓して紅粉の花
(まゆはきを俤にして紅粉の花)

②芭蕉の水 斉藤本店
 東根六田1・2交差点南付近 「麩街道」 県道120沿
 


 眉者支越お毛可介尓して紅粉の花
(眉はきをおもかげにして紅粉の花)
「自筆『眉はきを』発句切拡大」




③立石寺 根本堂脇
 山形市山寺4456-1

 閑さや巌耳しみ入蝉乃聲







【芭蕉像】

①立石寺
 


【難解文字(?)】
 と川て返(?)し
(とつて返(?)し)

 参考文字
  返








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