36.鶴岡・酒田

【芭蕉自筆影印】
①紀行文
 羽黒を立て 鶴可岡の城下 長山氏重行登云ものゝふの家耳む可へら連て 俳諧一巻有 左吉も共耳送りぬ 川舟尓乗て 酒田のみなとに下ル 淵庵不玉と云醫師の許を宿とス
(羽黒を立て、鶴が岡の城下、長山氏重行と云ものゝふの家にむかへられて、俳諧一巻有。左吉も共に送りぬ。川舟に乗て、酒田のみなとに下る。渕庵不玉と云医師の許を宿とす。)

 あつみ山や吹浦可けて夕すゝみ
(あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ)

 暑き日越海尓入レ堂る最上川
(暑き日を海に入れたる最上川)

②「初真桑」等四句懐紙
 あふみや玉志亭尓して 納涼の佳興耳瓜をもてなして 發句越こふて曰 句なきもの盤喰事あ多者し登戯(タハムレ)介連ハ

 初真桑四尓や断武輪尓切武

(あふみや玉志亭にして、納涼の佳興に瓜をもてなして、発句をこふて曰、句なきものは喰事あたはじと戯(タワムレ)ければ

 初真桑四にや断ん輪に切ん )

【句碑】
①日和山公園
 酒田市南新町1-10-1


 温海山や吹うらか計てゆふ涼
(温海山や吹うらかけてゆふ涼)



②日和山公園

 暑き日を海耳入多利毛可ミ川
(暑き日を海に入たりもがみ川)

③長山重行宅跡
 鶴岡市山王町13-2の隣

 めづらしや山をいで羽の初奈すび
(めずらしや山をいで羽の初茄子 大垣記念館)

④日枝神社弁天島
 鶴岡市山王町2-26 荒町かど

 珍らしや山を出羽能初奈春ひ
(珍らしや山を出羽の初なすび)

⑤日和山公園
 初真桑四尓や断武輪尓切武
(初真桑四にや断ん輪に切ん)
(はつまくわよつにやきらんわにきらん)
「自筆『初真桑』等四句懐紙を拡大」


⑥致道博物館
 鶴岡市家中新町10-18


 珍らしや山を以天羽の初茄子
(珍らしや山をいで羽の初茄子)


⑦宝昌院
 鶴岡市民田字五目刈13 本堂前

 免津らしや山を出羽の初なすひ
(めづらしや山を出羽の初なすび)


【芭蕉像】
①日和山公園


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