46.汐越の松・天竜寺

【芭蕉自筆影印】
 越前の境 吉崎の入江を舟耳棹指て 汐越の松を尋
 終夜嵐尓波を者こ者せて
 月を多れ堂る汐越の松 西行
この一首尓て数景盡多利 若一辨を加ル无の盤 無用の指を立る可こ登し 丸岡天龍寺の長老 古き因あれ者 尋ぬ 又金沢の北枝と云もの 可りそめ尓見送りて 此處まて志多ひ来ル 所々の風景過さすお无ひつゝ氣て 折節あ者連なる作意なと聞ゆ 今既別耳望みて
(越前の境、吉崎の入江を舟に棹指て、汐越の松を尋。
 終夜嵐に波をはこばせて
 月をたれたる汐越の松 西行
この一首にて数景尽たり。若一弁を加るものは、無用の指を立るがごとし。丸岡天龍寺の長老、古き因あれば、尋ぬ。又金沢の北枝と云もの、かりそめに見送りて、此処までしたひ来る。所々の風景過さずおもひつゞけて、折節あはれなる作意など聞ゆ。今既別に望みて、)

 物書て扇引割名残哉
(物書て扇引割名残哉)

 五十丁山耳入て 永平寺越礼ス 道元禅師の御寺也 邦機千里を避(?)て 可ゝる山陰耳跡を残し多万(?)ふも 貴き故有と可や
(五十丁山に入て、永平寺を礼す。道元禅師の御寺也。邦機千里を避(?)て、かゝる山陰に跡を残したま(?)ふも、貴き故有とかや。) 
 
【句碑】
①天龍寺

 物書て扇引さく餘波哉
(物書て扇引さく余波哉)


【芭蕉像】
①天龍寺


【難解文字(?)】
 邦機千里を避(?)て

 参考文字
  各種調査・探求も見つからず
  避を仮表記
  




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